歯周病治療

歯周病治療について

歯周病とは

歯周病は炎症を伴う細菌感染です。歯周病菌が原因となる炎症により、歯ぐきが腫れたり出血したりします。歯周病菌は酸素を嫌う特徴(嫌気性菌)があり、歯と歯ぐきの境目である歯周ポケットの内部で増殖します。歯周病の悪化により歯周ポケットも深くなり、歯を支える歯槽骨を吸収(破壊)していき、最終的に歯を失うことになります。
特に歯周病は初期の自覚症状がほとんどなく、症状が現れる頃には重症化しており、早期発見・早期治療が重要です。予防の意識を高く持ち、歯周病予防に努めましょう。

当院の歯周病治療の特徴

歯周病の認定医による診療

当院では、日本歯周病学会認定医の理事長が歯周病治療を行っております。
認定医とは所定の試験を通過した医師だけが付与される資格で、いわば歯周病治療におけるスペシャリストです。歯周病治療の経験が豊富な理事長が、担当の衛生士と連携し、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。

歯周病の再発や口臭などにお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。

歯周病の進行

  1. Level 1

    歯肉炎

    歯垢(プラーク)に含まれる歯周病菌により、歯ぐきが赤く腫れるなど炎症が起きている状態です。痛みはほとんどありませんが、歯磨きの際に歯ぐきから血が出ることがあります。

  2. Level 2

    軽度歯周炎

    歯肉炎が軽度歯周炎に進行すると、「歯周ポケット」と呼ばれる歯と歯ぐきの間が深くなります。細菌によって歯を支える歯槽骨が少しずつ失われていきます。

  3. Level 3

    中等度歯周炎

    歯槽骨や歯根膜にも悪影響を及ぼしている状態です。歯がグラグラ動いたり、歯肉退縮によって歯が長く見えるようになったりなどの自覚症状が出てきます。

  4. Level 4

    重度歯周炎

    歯の根の深い部分にまで汚れが付着し、歯周ポケットがかなり深い状態です。歯槽骨もほとんど破壊されており、歯のグラつきも悪化しています。食事もままならなくなる場合があります。

歯周病と全身の関係

脳梗塞、認知症、誤嚥性肺炎、心疾患、動脈硬化、糖尿病、早産、低体重児出産、骨粗しょう症

歯周病は口腔内だけの問題ではなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。歯ぐきの切れた毛細血管から歯周病菌が血管内に侵入し、血流に乗って全身を巡ります。細菌は血管内で毒素を放出し続け、血栓を作ります。脳梗塞や心筋梗塞など、血栓が詰まる場所によっては、命にかかわる恐れもあるのです。妊娠中であれば、歯周病菌による炎症性物質が子宮の収縮を強め、早産や低体重児出産のリスクを高めます。また、歯周病と糖尿病には相互関係があり、合併症の発症に発展する症例もあります。高齢者は嚥下機能の低下に伴い、歯周病菌による誤嚥性肺炎に注意が必要です。

当院の歯周病治療

  • 1お口の中のバイ菌の除去(ブラッシング・クリーニング)

    「お口の中のバイ菌の除去」では、歯垢(プラーク)・歯石・着色が関係します。歯垢が歯に付着したまま2日~3日が経過すると、唾液中のミネラル成分と結合し、石灰化したものを「歯石」といいます。歯石は歯ブラシでは落とせず、着色と同様に歯科医院で除去してもわらなければなりません。当院ではまず、染め出し液により磨き残しの状態をチェックします。患者様自身に歯磨きをしていただき、磨き方の指導を行います。その後は、歯科専用の治療器具を使用し、歯垢・歯石・着色を隅々まで丁寧に除去します。仕上げはフッ素やトリートメント剤を歯の表面に塗布し、歯質の強化をめざします。

  • 2フラップ手術

    歯周基本治療だけでは歯周病が改善せず、歯周ポケットが深いままで炎症も残っている場合は、フラップ手術を検討します。フラップ手術では歯ぐきの一部を切開し、歯根付近に付着した歯石や感染物質を除去します。本来は見えない箇所も目視でき、歯石除去や歯周病により破壊された歯槽骨の状態も把握が可能です。処置後は炎症が改善していき、歯周組織を本来の健康な状態へと導きやすくなります。

  • 3リグロス(歯周組織再生療法)

    歯周組織再生療法とは、歯を支える骨(歯槽骨)や歯ぐきなどの歯周組織を回復させ、抜歯のリスクの回避をめざす治療方法です。当院では「リグロス」と呼ばれる特殊な治療薬を使用し、歯周組織再生療法を行っております。
    リグロスには、細胞の増殖を促す成長因子が含まれています。歯周組織再生療法を適用する場合は、フラップ手術で歯石や感染物質を除去した上で、歯槽骨にリグロスを塗布し、歯周組織の再生をめざします。

  • 4お口の中のメンテナンス

    歯周病の予防には、歯科医院での定期検診(メインテナンス)がおすすめです。歯科医院で行うメインテナンスでは、歯周病を悪化させる原因となる歯垢や歯石を除去でき、口腔内を清潔な状態へと導きます。メンテナンスの間隔は、患者様一人ひとりの口腔状態に合わせて約1~4ヶ月の間で最適な間隔をご提案します。
    また、レントゲン撮影により、小さなむし歯の早期発見や歯槽骨の現状も明らかにできます。歯周病は初期段階で発見できれば、クリーニングや丁寧な歯磨きで改善が見込めます。メインテナンスにより、1本でも多くご自身の歯を残せる期待が高まりますので、ぜひ当院をご活用ください。

歯周病の進行を防ぐ・歯周病にならないために

毎日のセルフケアと歯科医院での定期検診(メインテナンス)は、歯周病対策に効果的であり、お口の健康維持に欠かせません。
歯周病を治療したからとはいえ、油断は禁物です。ブラッシングを怠ったり、以前の生活習慣を続けていたりすると、歯周病が再発するリスクが高まります。ご自身の歯とお口の健康を守るためにも、ぜひ当院の定期検診もご利用ください。